エボラワクチン、初の臨床試験開始 米国立衛生研究所

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エボラウイルス=CDC提供

エボラウイルス=CDC提供

(CNN) 米国立衛生研究所(NIH)は、週明けからエボラ出血熱ワクチンの臨床試験を開始すると発表した。エボラワクチンの臨床試験が行われるのは初めて。米食品医薬品局(FDA)が審査を早め、臨床試験実施のゴーサインを出した。

臨床試験が行われるのは英製薬大手グラクソ・スミスクラインと米国立アレルギー感染研究所(NIAID)が開発したワクチン。まず健康な被験者3人に投与して副作用の有無を調べる。安全が確認されればさらに別の18歳~50歳の被験者に投与し、ウイルスに対する抗体ができるかどうかを調べる。

FDAの審査は、通常のワクチンに対して実施する臨床前試験の一部を省いて実施された。このためNIHの臨床試験では、最初は少量の投与にとどめて安全を確認しながら徐々に投与量を増やすなど、特に慎重を期する方針。

これまでのチンパンジーを使った実験は非常にうまくいっているとNIHのファウチ所長は説明する。ワクチンを投与された患者がウイルスに感染することはないと強調する一方で、「私の長年の経験では何度もだまされてきた。(人に投与した場合に)どうなるかを完全に予測することはできない」と語った。

NIHによれば、ワクチンの臨床試験は英国とアフリカのガンビア、マリでも準備が整い次第実施する。

ただ、エボラ出血熱が流行しているギニア、シエラレオネ、リベリア、ナイジェリアの4カ国では、設備が整っていないことからワクチンの臨床試験はできないという。

グラクソ・スミスクラインはエボラ対策の国際機関から資金提供を受け、臨床試験と並行して最大で1万回分のワクチンの増産に入ると発表した。緊急投与が必要だとWHOが判断すれば、リスクの高い国などに提供する。

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