イタリア初の黒人閣僚は「オランウータン」、議員発言に非難

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(CNN) 移民流入に反対するイタリア上院のロベルト・カルデローリ議員が同国初の黒人閣僚が「オランウータンに似ている」などとの人種差別的な発言を行い、物議を醸している。

政治集会に最近参加した際の言動で、女性のセシル・ケンゲ移民融和担当相の出世は不法移民を煽っているとも主張、イタリアではなく出身国で閣僚になるべきだとも追い打ちをかけていた。1980年代に医学を学ぶためイタリアに移り住んだ同相はコンゴ民主共和国(旧ザイール)の出身だが、イタリア国籍を保持している。

カルデローリ議員は「私はクマやオオカミなどの動物を愛するが、ケンゲ(氏)の写真を見ると、オランウータンを思い出さずにいられない」ともやゆしていた。

この発言を受け、国内には反発が強まっており、メディアの世論調査では8割以上が辞任を支持していた。レッタ同国首相は17日、限度を超えた容認出来ない発言として、辞職を要求した。

同議員は発言内容が明らかになった後、彼女を傷付けたのなら謝罪すると表明。その上で、「冗談のつもりだった。印象を述べただけ」と弁明し、「イタリア政府はイタリアを統治するのでイタリア人がやるべき」とも付け加えた。

一方、ケンゲ氏は同議員に対し「私に許しを乞う必要はない」と建前的に応じながらも、議員として自らが担う政治的、社会的な役目を考慮すべきだと注文。その分別を踏まえた上で謝るべきだろうと諭した。

ケンゲ氏は与党民主党に所属し、カルデローリ議員は「北部同盟」のメンバー。ケンゲ氏はこれまでも人種差別的な侮辱などの標的に再三なっており、北部同盟の勢力が強い地域を訪問する前、暗殺の脅迫を受けたこともある。地方の政治家は最近、交流サイト「フェイスブック」にケンゲ氏はレイプされるべきだとも書き込んでいた。

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