アイルランドで人工妊娠中絶を一部合法化

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人工妊娠中絶の法整備を求めてデモに参加した人々=ダブリン

人工妊娠中絶の法整備を求めてデモに参加した人々=ダブリン

(CNN) アイルランド下院は12日、母体の生命が危険にさらされている場合に限って人工妊娠中絶を認める法律を127対31の賛成多数で可決した。

国民の大半がカトリック教徒であるアイルランドでは人工妊娠中絶が法律で禁じられていた。今回の一部合法化は政府主導で進められたが、法案の修正をめぐって保守系、革新系双方の議員による議論が交わされていた。

妊娠中の女性が自殺を犯す危険が非常に高い場合にも中絶を認めるとの条文については、信仰心の強い議員や教会指導者から反発も出た。アイリッシュ・タイムズ紙によれば、反対派は安易な中絶に道を開くと条文の削除を求めていたが実現しなかったという。

ただし新法では、中絶が認められるためには精神科医2人と産科医1人が、自殺のリスクが「現実のものであり、重大である」ことを確認しなければならないと定められている。

また近親相姦や強姦によって妊娠した場合にも中絶を認めるべきだとの修正案が女性議員から出されたが、反対に遭って棚上げされたとアイリッシュ・タイムズは伝えている。

アイルランドでは昨年10月、インド出身の妊娠中の女性(31)が激痛を訴えて入院。女性は流産しかかっていると診断されたものの病院側から人工妊娠中絶手術を拒まれ、敗血症で亡くなった。これをきっかけに同国では中絶をめぐる議論が高まり、政府は中絶に対する規制の見直しを余儀なくされていた。

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