骨髄移植でHIVが消滅か、米大学が2例確認

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(CNN) 米ハーバード大学の研究チームは3日、エイズウイルス(HIV)に感染していた患者2人に骨髄移植を行ったところ、血液中からHIVが検出されなくなったと発表した。クアラルンプールで開催中の国際エイズ学会で述べた。

HIVが完全に消滅したかどうかはまだ確認できていないが、長年にわたって抗レトロウイルス薬(ART)の投与を受けた男性患者2人が、その後リンパ腫と診断されて強い化学療法を経て骨髄移植を受けた。この間もARTの投与は行われており、移植から約4カ月後の時点では血液中からHIVが検出されていた。しかし6~9カ月後には検出されなくなったという。

その後ARTの投与を中止した。通常なら数週間もすればウイルスは再び増えてくるはずだが、「ARTをやめてから1人の患者は15週間、もう1人は8週間たつが、血流中にHIVは見つかっていない」とチームを率いたハーバード大学医学大学院のティモシー・ヘンリッチ医師は述べている。

2007年にも白血病の治療のために骨髄移植を受け、HIVが検出されなくなった症例がある。ただしこのケースでは、HIVに感染しない珍しい遺伝子変異をもつ人の骨髄が使われた。

だが専門家によれば、エイズ治療を目的に骨髄移植を行うのは現実的ではない。HIVの感染を防ぐ遺伝子をもっているのは白人の1%にすぎず、アフリカ系やアジア系の人々には存在しない。またヘンリッチ医師によれば、HIV患者が骨髄移植を受けた場合の死亡率は20%に上るという。

しかし、体のどこかにウイルスが残っていて、再び増えてくる可能性もあり、ヘンリッチ医師は、「移植の長期的、全体的な効果はまだ分からない」としている。

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