日系工場の排水パイプライン建設計画、住民デモで中止 中国

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北京(CNN) 中国江蘇省南通市に建設が計画されていた日系製紙工場の排水パイプラインに対し、環境汚染を懸念する住民らが大規模な抗議デモを展開したことを受けて、地元政府は28日、パイプライン建設の中止を発表した。

南通市啓東の中心街の広場には同日早朝、数千人が集まって建設反対を訴え、地元政府庁舎へ行進した。目撃者によると、一部の参加者は待ち受けた数百人の警官隊と衝突した。

インターネットの交流サイト(SNS)には、怒った群衆が政府庁舎の敷地になだれ込み、事務所を荒らしたり車を倒したりする画像が掲載された。

住民らは、全長約110キロのパイプラインが完成すると、近くの海に1日15万トンの排水が流れ込み、主要な漁港や水道水が汚染されると主張。これに対し、工場を建設している日本の製紙大手、王子製紙は、排水は厳しい基準に従って浄化してから流すと説明していた。

ネット上では28日午後、中国当局がこの話題に関するコメントや画像の削除に乗り出した模様。中国のネット利用者の間ではデモを支持する意見が大半を占める一方、当局の処罰を懸念して暴力行為を避けるよう呼び掛ける声も上がった。

中国では近年、環境問題などを巡り、都市部の住民らがネットを通じて団結する動きが目立っている。遼寧省大連市では昨年8月、住民の抗議運動で化学工場が閉鎖された。四川省では今月初め、重金属工場の建設が中止に追い込まれている。

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