米運輸保安局、空港の全身スキャン検査装置を撤去へ

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50歳男が空港の保安検査に全裸で抗議

ワシントン(CNN) 米運輸保安局(TSA)は、旅行者の全身のグラフィック画像を表示する全身スキャナーを6月までに空港から撤去すると発表した。

同装置に対しては、「乗客を裸にして所持品検査をするに等しい」との批判の声が上がっていた。

TSAは現在、ラピスキャン社製のいわゆる「後方散乱」検査装置を使用しているが、ラピスキャンが、議会が定めた期限までにこれらの検査装置にプライバシー保護ソフトをインストールできないと認めたことから装置の撤去を決めた。

当初、TSAは、スキャナー画像を見る検査官を乗客から離れた場所に配置したり、乗客に衣服の上を叩いて行うボディーチェックを選べるようにしたりするなどの対応策を講じたが、プライバシー権利団体や一部議員の反発を抑えるには至らなかった。

結局、技術がもたらした問題を解決したのは別の技術だった。複数のセキュリティ企業が自動目標認識(ATR)と呼ばれるプライバシー保護ソフトを開発した。しかし、後方散乱よりもプライバシー侵害の度合いが少ない「ミリ波」検査機のメーカーがATRソフトの導入方法を見出したのに対し、ラピスキャンはいまだに見出せていない。

そこでTSAは今週、ラピスキャンがATRソフトを導入できないことを理由に同社との契約打ち切りを発表した。ただTSAは、ラピスキャンが所要のソフトを開発すれば後方散乱検査機の再導入もありうるとしている。

TSAは現在、30の空港で174基の後方散乱検査機を使用しており、さらに76基を保管している。また170の空港でミリ波検査機を使用している。

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