数千人が「飛行機には乗らない」宣言、気候変動に強まる危機感

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社会学者のロジャー・タイアーズさんは、飛行機ではなく列車での旅を選んだ/Roger Tyers

社会学者のロジャー・タイアーズさんは、飛行機ではなく列車での旅を選んだ/Roger Tyers

(CNN) 英国を出発して24本の列車に乗り、9カ国をまたぐ2万キロの旅を経て、中国にたどり着いた男性がいる。

社会学者のロジャー・タイアーズさん(37)は学術研究の目的で今年5月、英南部のサザンプトンから列車を乗り継ぎ、1カ月かけて中国東部の港湾都市、寧波にたどり着いた。かかった旅費は2500ドル(約27万円)と、往復航空運賃のほぼ3倍だった。

タイアーズさんは気候変動に対する危機感に駆り立てられて、飛行機ではなく列車での旅を選んだと説明する。きっかけは昨年、世界が壊滅的な地球温暖化を避けるために残された時間は11年に満たないと予告した、国連の専門家の言葉だった。

世界では数千人がタイアーズさんと同じように、気候変動を理由に飛行機は利用しないと宣言している、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんもその1人。


各国の政府が気候非常事態を宣言し、地球温暖化が人の健康や野生生物の未来に与える壊滅的な影響について警告する中で、飛行機の利用は正当化できないとそうした人たちは主張する。

スウェーデンの活動家メイヤ・ローゼンさんは2018年に「フライトフリー」キャンペーンを立ち上げ、10万人に呼びかけて、1年間、飛行機に乗らないと宣言してもらうことを目標とした。

ネット上の宣言書に署名したのは1万4000人にとどまったものの、ローゼンさんはCNNの取材に対し、このキャンペーンが奏功して気候危機の緊急性について認識を高めることができ、列車での移動を増やしてもらうきっかけになったと振り返る。

スウェーデンでは、列車で移動する写真をソーシャルメディアに投稿する波が広がった。

スウェーデン鉄道が2019年5月に発表した実態調査によると、可能な場合は飛行機ではなく列車での移動を選ぶという回答は37%に上り、2018年初めの20%から大幅に増えている。

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