北米舞台の「ハリポタ」新作、米先住民から批判の声も

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「ハリポタ」が公式サイトで新作公開

(CNN) 魔法世界を舞台にした人気小説「ハリー・ポッター」シリーズの作者J.K.ローリング氏の新作に対し、米先住民の一部から批判の声があがっている。

この作品はハリー・ポッター公式サイトの「ポッターモア」で発表された「北米魔法史」で、北米における14~17世紀の「魔法使い」の歴史が描かれている。チェロキー族の学者でブロガーのエイドリアン・キーン氏によれば、問題はすべての先住民族をひとくくりにして扱い、その物語を借用し、そうした伝統を完全に書き換えている点だという。

小説では先住民の間にも魔法使いはいたが、欧州の魔法使い同様、疑いの目で見られたり差別されたりしたと書かれている。中にはハリー・ポッターシリーズに出てくる「動物もどき」と同じように動物に変身できる「スキンウォーカー」と呼ばれる魔法使いもいたとされる。

キーン氏はブログやツイッターでこの小説を取り上げ、「社会の周辺に追いやられた人々の今も生きる伝統をわがものにしたり勝手に使うことは許されない」と批判。「(先住民の伝統は)『あなたの』世界ではない。私たちの(本物の)先住民の世界だ。(米先住民族の伝承にある)スキンウォーカーの物語には文脈もルーツも現実もある」と指摘する。

この小説は8日から公開が始まった。セーラムの魔女裁判を題材にした物語では、さまざまな国からやってきた悪の魔法使いたちに率いられた「ノーマジ」(魔法使いでない人々、「ハリー・ポッター」シリーズの「マグル」)の役割が語られる。

ポッターモアでは11日までにさらに続編2作が公開される予定。今年秋にはシリーズの最新作の映画「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」が公開される。

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