きっかけは「売れ残りTシャツ」 現代アーティストの北川純氏

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「最高の要素と最低の要素を持ち合わせた作品を作りたい」と北川氏は話す=同氏提供

「最高の要素と最低の要素を持ち合わせた作品を作りたい」と北川氏は話す=同氏提供

東京(CNN) きっかけは稲妻のようなひらめきでも、燃え盛る情熱でもなかった――。「巨大ジッパー」の壁画などで知られる現代アーティストの北川純氏にとって、すべては「売れ残りのTシャツ」から始まった。

北川氏がアートの世界へ足を踏み入れたのは17年前、自作のTシャツを売り出した時のこと。挑発的なポーズの女性を描いた過激なデザインは消費者の好みに合わず、売れ残りを大量に抱えてしまった。

ある時ふと思い立って、そのTシャツを公園の裸体像に着せてみた。何枚か写真を撮影してすぐに取り外し、友人たちに写真を見せた。面白がる人もいれば怒り出す人もいたが、どちらにしても相手の強い反応に手ごたえを感じたという。

澄まし顔の銅像にTシャツを着せたり、人間の尻のような形の大きい風船をいくつも飾ったり、日本庭園の池に巨大なジッパーを浮かべたり――。公共空間を使った北川氏のアート作品は、いつも気まぐれで官能的で、遊び心に満ちている。まるでウインクするように、「あまり向きになるな」と語り掛けてくる。

「最高の要素と最低の要素を持ち合わせた作品を作りたい」と、北川氏は話す。時には「芸術ではなく破壊行為だ」「悪ふざけだ」「いやらしい」と、批判を受けることもある。同氏は「作品を見て心地良いと思う人も不愉快な人もいるかもしれない。しかし、人々をはっとさせる視覚的なインパクトこそが私の作品の本質的な部分だ」と強調する。

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