スイス銀行界、顧客の守秘主義に変化 脱税対策で情報提供

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ロンドン(CNNMoney) 厳格な守秘義務で知られる銀行業界を持つスイスは21日までに、欧州連合(EU)との間で銀行顧客の情報などを共有する取り決めに合意した。

EUは、スイスの金融当局の従来の姿勢を転換させる今回の合意を脱税摘発を進める上で大きな1歩になると称賛。EU加盟国は将来的に、スイスの銀行の口座保有者の名前、住所、納税者番号や生年月日などの個人情報を自動的に入手出来ることになる。

スイス銀行業界における顧客保護のための情報秘匿の徹底ぶりは世界的に有名で、一部の銀行口座には保持者の名前も付けられておらず、身元証明の番号を知っている者しか利用出来ないともされている。ただ、脱税摘発の機運が国際的に高まると同時に、スイス当局は英国やオーストラリアなど多数の外国政府と協定を締結。現在は米当局と交渉を続けている。

先月には国際金融グループ大手HSBCがスイスの秘密銀行口座を通じ武器密輸業者、脱税者、独裁者や有名人の資産秘匿を手助けしていたとの一部報道もあった。

国際的な監査法人デロイトによると、外国人がスイスの銀行に預けている金額は約2兆ドルで国別では最多となっている。英国の1.7兆ドル、米国の1.4兆ドルなどが続いている。同法人はただ、香港やシンガポールなどアジア諸国・地域の追い上げが激しく、将来的にはスイスを抜く可能性があるとしている。

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