1億年前の恐竜が食べた「最後のえさ」、珍しい胃の内容物の化石から判明 カナダ

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胃の内容物をもとにした1億1000万年前の草食恐竜の食性に関する研究が発表された/Mark Mitchelli/Royal Tyreell Museum of Palaentology

胃の内容物をもとにした1億1000万年前の草食恐竜の食性に関する研究が発表された/Mark Mitchelli/Royal Tyreell Museum of Palaentology

(CNN) 1億1000万年前に生息し、皮膚や装甲板など生きているときの外見をほぼとどめた状態の化石で見つかった恐竜について、最後に食べたと思われるえさの内容が明らかになった。恐竜の胃を分析したところ、植物の痕跡も化石となって保存されているのが確認できたという。

恐竜の胃や、えさとして食べたものが化石の形で残ることは珍しい。ときおり種や小枝が消化器官の中から見つかっているものの、具体的な植物を特定できた事例は過去にない。

今回分析対象となった化石は、カナダで見つかったノドサウルスと呼ばれる四足歩行の草食恐竜のもの。2011年にアルバータ州のオイルサンドの鉱山で作業員が発見した。アンキロサウルスの仲間に属し、約5.5メートルの長さを持つその体は戦車のような装甲板で覆われている。

外見をほぼとどめた状態で保存されていたノドサウルスの化石/Sue Sabrowski/Royal Tyreell Museum of Palaentology
外見をほぼとどめた状態で保存されていたノドサウルスの化石/Sue Sabrowski/Royal Tyreell Museum of Palaentology

このノドサウルスは死んだ後で海まで流されて海底に沈み、膨大な時間をかけてミネラル分が皮膚や装甲板にしみこんだことから、生きていた当時の状態が保たれたと考えられている。胃の内容物からその食性を詳しく分析した研究論文が、2日刊行の科学誌に掲載された。

論文の共同著者で生物学者のデービッド・グリーンウッド氏は電子メールで、ノドサウルスの胃の中について「細切れになった葉をはじめとする植物の化石が、それぞれの細胞に至るまで残っていた」と説明した。

ノドサウルスの胃の内部/Royal Tyreell Museum of Palaentology
ノドサウルスの胃の内部/Royal Tyreell Museum of Palaentology

生きているときのノドサウルスの体重は1トンを超えていたとされるが、胃の内容物からシダ植物を好んで食べていたことが分かった。胃の内容物と思われる塊の大きさはだいたいサッカーボール1つ分だという。

胃の中から見つかった化石の内訳は花粉や胞子、コケ類などの微化石が48点、シダ植物の化石が26点、花を咲かせる顕花植物の化石が2点、針葉樹の化石が13点となっている。これらの植物化石はとても保存状態が良く、現代の植物サンプルとの比較も可能だとみられる。

このノドサウルスは特定のシダの柔らかい葉を選んで食べており、当時広範に生えていたソテツや針葉樹の葉をほぼ無視していることに研究者から驚きの声が上がっている。

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