人工衛星同士が衝突危機、緊急の軌道修正 ESA

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ESAとスペースXの運用する衛星同士が衝突しかける事態が起きていた/ESA Operations/Twitter

ESAとスペースXの運用する衛星同士が衝突しかける事態が起きていた/ESA Operations/Twitter

(CNN Business) 欧州宇宙機関(ESA)は5日までに、運用する地球観測衛星「アイオロス」が、米宇宙開発企業「スペースX」の衛星と衝突する恐れがあったとして緊急回避の作業を実施したと発表した。

ESAはツイッター上で、稼働を続けている衛星同士の衝突を避けるための軌道修正は極めてまれと指摘。これまでの衝突回避作業の大半は運用が中止された衛星や以前の衝突で生じて漂流する破片などが対象だったと説明した。

今回、衝突する可能性があったのは、スペースXが地球全域を対象にしたインターネット基地局を構築するために進めている計画「スターリンク・システム」の一環となる衛星。同計画では数千基規模の衛星配備を予定し、最初の衛星は今年5月に打ち上げられていた。

ESAの声明によると、衝突の恐れが浮上したため同社に接触したが、衛星を移動させる予定はないとの回答が返ってきた。ESAはこのため、アイオロスの高度を上昇させるためのエンジン噴射に踏み切ったという。

この作業は、衝突する可能性があった位置の半周手前だったとしている。

大量の小型衛星の打ち上げなどで宇宙空間の混雑は加速しているとされ、ESAは宇宙での衛星同士の衝突を避けるため、人工知能(AI)を使った回避システムも開発している。

ESAの安全対策責任者は声明で、今回の衝突回避の措置は宇宙での適切な交通管理が緊急な課題になっていることを示したと指摘。透明性の高い通信手順の確立や一層の自動化推進などの必要性に言及した。

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