「ロシア疑惑」捜査の最前線――秘密のベールに隠されたFBIの対諜報部門

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ワシントン(CNN) 米ワシントンにある連邦捜査局(FBI)の本部ビル。その一角では、FBIの捜査官がロシア政府による米大統領選介入疑惑を解明するという途方もない作業に当たっている。

この件を巡っては、ワシントン内外で絶えず臆測が飛び交ってきた。

ただ米高官によれば、調べに当たる捜査官にとっては、ロシアの件は「標準的な防諜(ぼうちょう)捜査」の一例に過ぎないという。最近では新たに、米中央情報局(CIA)のものとみられる大量の文書が内部告発サイト「ウィキリークス」のウェブサイトで公開されるに至った経緯を解明する仕事も加わった。

捜査を担当するのはFBIの「スパイキャッチャー」が集まる防諜部門だ。FBI本部に詳しい人からも隔絶された日の当たらない世界で、所属する捜査官の評価に当たっては、捜査能力とともに情報を口外しない能力も重視されている。

ロシア関連捜査の情報筋によれば、この問題の担当者の数は、ヒラリー・クリントン元国務長官の私用メール問題に割り当てられていた捜査官の数より5~10人少ないという。クリントン氏の件に専念していた捜査官は二十人程度だったことから、ロシア関連の捜査には15~20人が当たっている計算になる。

クリントン氏のメール問題の捜査にこれほどの人員が投入された背景には、大統領選を控える限られた時間の中で、捜査官が大量の電子データを精査しなければならなかったとの事情があるという。一方、ロシア関連の捜査ではこうした時間面でのプレッシャーはなく、人的情報源からの聴取に重点が置かれている。

防諜部門はFBI内では単に「CD」の名で知られている。米情報当局の機密や、米国の官民の組織が持つ先進技術の保護を担っているほか、大量破壊兵器が米国の敵の手に渡るのを未然に防いだり、サイバー侵入を含む外国スパイの活動に対抗したりする役割もある。

外国スパイの採用や無力化に向け、水面下で慎重かつ入念に調べが進む中、捜査は数年間に及ぶ場合もある。

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