NYでクジラを安楽死、住民から批判も

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ロングアイランド沖の浅瀬に乗り上げたザトウクジラに安楽死の処置が施された

ロングアイランド沖の浅瀬に乗り上げたザトウクジラに安楽死の処置が施された

(CNN) 米ニューヨーク州ロングアイランド沖の浅瀬に乗り上げ、数日間にわたり身動きがとれず衰弱していたザトウクジラがこのほど安楽死処分になった。米海洋大気局(NOAA)の獣医師チームはクジラの健康状態を考慮すると安楽死が最も人道的な措置だったと説明しているが、クジラを見守っていた住民の一部からは対応が遅かったと批判する声も上がっている。

NOAAによると、このクジラは水深が30~60センチほどしかない入り江で身動きが取れなくなっていた。クジラを砂州から脱出させて別の場所に泳いでいけるようにする試みは失敗に終わり、獣医師らが23日午後に安楽死の措置を施した。集まった群衆の中には泣いている人もいた。

NOAAの獣医師チームは、クジラはほとんど反応しなくなり神経異常の兆候を示していたほか、皮膚の広い範囲に傷を負い感染症も見られたと指摘。こうした観察を踏まえ、このクジラが野生の環境で生き延びていく可能性はほとんどないことから、安楽死が最も人道的な選択肢だとの判断に至ったとしている。

ただ、衰弱していくクジラを見守っていた住民の一部は、対応が遅かったとしてNOAAなどを批判した。クジラの体は浅い水面から突き出て、カモメがつついている状態だった。住民の1人はCNN提携局のWPIXに、苦しむクジラから「赤ん坊の泣き声のような音」が聞こえたと語った。

CNN提携局のNews12ロングアイランドによると、住民らは自ら救助計画を練ろうとしたものの、当局者には受け入れられなかったという。連邦法では、ザトウクジラを含む野生の海洋哺乳類から少なくとも約45メートルは離れるよう定めている。またNOAAは、尾や胸びれに強い圧力が加わると体内が損傷してさらに傷つく恐れがあるほか、救出に関与する人々もリスクにさらされるとして、一般の人々は衰弱したクジラに接しないよう促している。

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