本当は存在しない「核のボタン」 米大統領の発射方法とは?

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「核のボタン」の実態は?

ワシントン(CNN) 米大統領選の民主党候補に指名されたヒラリー・クリントン前国務長官は共和党候補の実業家ドナルド・トランプ氏に関し、核兵器を発射する権限を託すには不適格だと批判する。サンディエゴで行った演説では、「トランプ氏の指を核のボタンの近くに置いていいのか」と聴衆に問いかけた。これに対しトランプ氏は、最終手段としてしか核兵器を使うつもりはないと反論している。

ただ、実際には「核のボタン」は存在しない。

代わりに大統領は「ビスケット」と呼ばれる、核兵器の発射コードを記したカードを持つ。また米軍の将校が「フットボール」の通称で知られるブリーフケースを持っており、その中に核攻撃を発動するのに必要な装置と情報が収められている。

レーガン元大統領の政権下で3年間、5人の交代要員の1人としてブリーフケースを持ち歩いていたピート・メツガー氏は、核弾頭がワシントン特別区やニューヨーク市に着弾するまで5~6分しかかからないと指摘。このため「いかなる時でも準備しておかなくてはならない」という。

ブリーフケースを持った軍の側近は常に大統領のそばにいることが求められる。大統領と同じエレベーターに乗り、ホテルでも同じフロアに滞在する。周辺警護を担当するシークレットサービスの要員も同一だ。大統領が職務を遂行できなくなった場合に備え、副大統領用のフットボールも用意されている。

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