米NASA、「世界の大気汚染地図」を作成 衛星データ活用

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2005年の大気中の窒素酸化物(NOx)の平均濃度を示した地図。排出量の減少が観測されたところが青く、排出量の増加が観測されたところが赤く示されている

2005年の大気中の窒素酸化物(NOx)の平均濃度を示した地図。排出量の減少が観測されたところが青く、排出量の増加が観測されたところが赤く示されている

(CNN) 米航空宇宙局(NASA)は17日までに、衛星観測データを基にした世界の「大気汚染地図」を発表した。

この地図で示されているのは、大気中に含まれる有害物質の窒素酸化物(NOx)の平均濃度。NOxは自動車や工場から排出され、大気汚染の大きな原因となっている。

最新の地図と2005年当時のものを比べると、この10年間で世界各地の汚染度がどう変わったかよく分かる。

工業発展の著しい中国だが、同国の華北平原周辺では特に、この10年でNOxの量が20~50%も増加した。

一方、北京と上海、珠江デルタという大都市圏では40%もの減少がみられる。

研究チームを率いたNASAゴダード宇宙飛行センターのブライアン・ダンカン氏は「大気の質の変化はでたらめに起きているわけではない。政府が介入し、ここに施設を建てるとか、この汚染物質を規制するといったことを決めると、その影響はデータに現れる」と指摘する。

この10年間に米国では20~50%、西欧では最大で50%、NOxは減少した。研究チームによれば、環境基準の強化や汚染物質の排出を減らす技術の進歩が背景にあるという。

中東では、経済発展によりイラクやクウェート、イランで排出が増えている。一方、シリアでは11年の内戦勃発以降、NOxの量は減少している。

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