21億年前の隕石から火星の水、米研究チームが発見

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火星から来たと思われる隕石

火星から来たと思われる隕石

(CNN) 火星の水を多く含んだ21億年前の隕石(いんせき)が見つかったとして、米国の研究チームが科学誌サイエンス・エクスプレスに研究成果を発表した。

ニューメキシコ大学隕石研究所の研究チームは、火星から来たと思われる隕石を真空管に入れて加熱し、放出された気体を質量分析計を使って調べた。その結果、この気体が火星の水の蒸気であることを確認。

これまでに見つかった火星からの隕石に比べて10倍以上の水の分子が含まれていたことが分かった。カール・エイジー同研究所長は「いわば火星の水が眠りから目覚めたといえる」と話す。

隕石はモロッコで見つかったもので、1個目の発見を受けて探したところ、同様のものが複数見つかった。最も大きいもので手のひらに載るほどの大きさで、重さは320グラムあった。

隕石は噴火でできた火山岩とみられ、水との接触によって鉱物の構造の中に水分が取り込まれた結果、20億年以上たった今もその状態が保たれたとみられる。どんな形状の水と接触していたのかは不明だが、火星の湖または川、地下水、さらには凍土が噴火の熱で溶けた可能性も考えられ、「相当量(の水が)あったことは確か」(エイジー所長)だという。

火星はかつて、現在よりもずっと温暖で湿度が高く、大気と水があったという説が有力だ。今回見つかった隕石は、当時の火星の状態について知る手がかりになると研究チームは期待する。

さらにこの隕石は、米航空宇宙局(NASA)の探査機が火星の地表で発見した岩石と同様の化学成分を持っていることも分かった。現在の火星の岩石にこれほど近い隕石が見つかったのは初めて。年代的にも、これまで見つかった隕石の中では、南極で見つかった45億年前のものとされる隕石に次いで2番目の古さだという。

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