海洋の酸性化で微小生物の殻が溶ける現象を確認 米英チーム

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Nina Bednarsek/BAS提供

Nina Bednarsek/BAS提供

(CNN)  地球温暖化の影響で海洋の酸性化が進み、翼足類と呼ばれる小さな海洋生物の殻が溶ける現象が起きているという。米英の研究チームが25日発行の科学誌ネイチャー・ジオサイエンスに発表した。自然環境下の生物に対する海洋酸性化の影響が確認されたのは初めて。

翼足類は大きさがピンの頭ほどしかない小さな海洋生物で、海の中の海面に近い層に生息する。仮に水深1000メートル以上に置かれると、海水によって殻が溶けてもろくなってしまうことが分かっている。

しかし2008年に実施した調査で、南極大陸に近い南洋では、200メートルの深さでも翼足類の殻が溶けていることが分かった。

翼足類の殻の溶解は、風によって海底の冷たい水が押し上げられる湧昇流という現象と、地球温暖化による海洋の酸性化が組み合わさって起きている。酸性化は今後さらに進むと予想され、限界点が浅くなる現象はさらに頻繁に発生するようになると研究者は予想する。

翼足類は、人間の食卓にも上る魚類の餌になり、海洋食物連鎖で重要な役割を担っている。殻がもろくなれば捕食されたり細菌などに感染したりしやすくなり、食物連鎖に影響を及ぼすことが懸念されるという。

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