ベンチャーの旗手は「塀の中」から 米刑務所で起業家育成

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プログラムに参加するには厳しい選抜試験をくぐり抜けなければならない

プログラムに参加するには厳しい選抜試験をくぐり抜けなければならない

ニューヨーク(CNNMoney) 次代のITベンチャーの旗手は「塀の中」から生まれるかもしれない。米カリフォルニア州にあるサンクエンティン州立刑務所では自動車強盗や殺人を犯して服役する長期受刑者らを対象に起業家養成プログラム「ラストマイル」が行われている。

同刑務所では、1週間に2度、受刑者が集まり、テクノロジーやイノベーション(技術革新)について学ぶ。ラストマイルに参加するためには、学科プログラムを受講した上で、厳しい選抜試験を勝ち抜かなければならない。チームで働く能力を示すことも求められる。

受刑者を指導するのは、クリス・レドリッツ氏とその妻であるべバリー・パレンティー氏。夫婦が共同でこのプログラムを立ち上げた背景には、財政を圧迫する膨大な刑務所運営費用の問題がある。

パレンティ氏は「カリフォルニア州では高等教育よりも多額のお金が刑務所に費やされている。受刑者1人あたりにかかる平均コストは年間4万5000ドル(約450万円)。従って、受刑者の多くがサンクエンティンの刑務所から出所する時点で収監だけで100万ドル近くを投資されたことになる」と話す。

受刑者は6カ月におよぶプログラムを通じてビジネスプランを練る。最後には、ベンチャー投資家や支援者に向けて売り込みを行う。過去に披露されたアイデアは、貧困家庭への食料供給から低所得者層向けの肥満対策にいたるまで、多岐にわたる。

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