1日6時間勤務、健康も生産性も向上か スウェーデンで実践

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看護師の健康状態や生産性を、週38時間労働制を取っている同様の施設と比較した結果、1日6時間勤務の看護師は健康状態が改善され、「ずっと温厚になって注意力も増している」(コンサルティング会社の研究者)という。

1日6時間の勤務を18カ月続けた看護師のうち77%が健康状態は良好と回答。一方、比較対象とした看護師では49%にとどまった。病欠も6時間勤務の看護師の方がはるかに少なかった。

特に老人ホームのような施設の場合、看護師の健康状態は極めて重要だと研究者は言う。看護師は入居者の食事や散歩に付き添い、入居者との間で人間関係を築く。そのためには看護師が定期的に勤務して、疾患やストレスによる病欠が少ない方が効果が高く、特に認知症の入居者の介護では大きな助けになる。

看護師の労働時間を減らせば、出来ることが増えるという結果も出た。入居者を慰めたり歌ったり踊ったりゲームをしたりといった活動は、比較対象グループに比べて80%多かった。

「これは介助する看護師の健康状態が良好で注意力が高く、ストレスが少ないことに関係する。そうした状況では率先して活動する気になれる」と研究者は解説する。

ただし経営上の課題はある。実験を行った老人ホームでは、労働時間の短縮で生じたギャップを埋めるために看護師17人を追加で採用した。

これまでのところ、実験にかかったコストは110万ドル(約1億1000万円)。一方、労働市場で17人の雇用が生まれたことから、州の失業対策コストは53万ドル(約5500万円)減った計算になる。

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