イケア、不況のロシアで異例の好調 将来不安で消費財人気
ロンドン(CNNMoney) スウェーデンに本拠がある家具販売大手イケアは20日までに、ロシアなどでの業績好調が一因で今年8月までの1年間の販売額が11%増の320億ユーロを記録したと報告した。
経済苦境に陥るロシアで他の企業が事業活動の縮小に追い込まれる中、イケアは収益を増やす異例の展開となっている。同社によると、ロシアは中国に次いで高成長を示す市場となっている。
ロシア経済は、外貨獲得源の原油の価格低落やウクライナ危機に伴う欧米諸国の経済制裁発動で打撃を受けている。自国通貨ルーブルの価値は昨年、50%を超えて下落した。
イケアのロシアにおける業績拡大について、市場動向企業「ユーロモニター・インターナショナル」のアナリスト幹部はロシアの消費者は貯蓄の目減りと将来の物価上昇を懸念し、耐久消費財の大量購入に走っていると分析した。
イケアの広報担当者は、ロシア国内に展開する系列店の訪問客数はルーブル安を受け一時的に増加したと指摘。台所や家庭用品など値が張る商品は需要が殺到して販売停止に追い込まれたとも述べた。
イケアによるロシア進出は15年に達し、家具販売市場では首位の20%を得ている。同国内では14店を展開し、首都モスクワで4店目の開店を狙っている。