内乱のソマリアに初の「ATM」登場、情勢安定化の象徴か

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ソマリアの首都モガディシオに今年9月下旬、同国初の現金自動出入機(ATM)が登場

ソマリアの首都モガディシオに今年9月下旬、同国初の現金自動出入機(ATM)が登場

(CNN) イスラム過激派などとの交戦が続くアフリカ東部ソマリアの首都モガディシオに今年9月下旬、同国初の現金自動出入機(ATM)が登場した。ただ、貧困国だけにクレジットカードなどを保有する住民は極めて乏しく、利用頻度は限られているようだ。

しかし、イスラム過激派の勢力衰退も最近指摘され、ATMの初登場は国内情勢の安定などが進む象徴とも受け止められている。

設置場所は同市南西部にある国際空港から約300メートル離れた高級ホテル「ジャジーラ・パレス」内。米ドル紙幣を提供するATMを運用するのは地元銀行で、近い将来には他の外国通貨も扱う計画。

アフリカ開発銀行によると、モガディシオでは米ドルが広く流通し、商談の決済にも使われている。地元通貨は「シリング」だが、数十年にわたる内乱の影響でその価値は減少の一途だ。

同ホテルの支配人によると、ATMの利用客も見られるが、その数はまだ少ない。客の大半はソマリアにATMが存在していることを知らなかったとしている。

英大学ユニバーシティー・カレッジ・ロンドンの研究者は、今回のATM設置は、居住先の海外で銀行口座を持つソマリア系人の客獲得が狙いと指摘。地元住民の利用増加はまだ先の話と分析している。

ソマリア本土でのATM誕生は初めてだが、1991年に独立を一方的に宣言した北部の「ソマリランド」のハルゲイサ市には今年3月に登場していた。

サハラ砂漠以南のアフリカ諸国の動向を追う英シンクタンクによると、海外居住のソマリア人による本国への送金額は毎年12億米ドル(約1296億円)以上。国民総所得の半分以上、外国援助額の全体額以上の水準となっている。

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