株主価値の最大化が「最も愚かな考え」である理由

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「株主価値の最大化」を企業目標に掲げるのは誤り?

「株主価値の最大化」を企業目標に掲げるのは誤り?

(CNN) ビジネススクールの起業志望者のクラスで「企業の目標は何か」と質問すれば、即座に「株主価値の最大化」という答えが返ってくるだろう。

しかし、この答えは誤りであるだけでなく、企業にとって極めて有害である。ゼネラル・エレクトリック(GE)の元最高経営責任者(CEO)で、「伝説の経営者」と呼ばれたジャック・ウェルチ氏の言葉を借りれば、企業の目標が株主価値の最大化という考えは「世界で最も愚かな考え」だ。

株主価値の最大化を特に重視する企業はゼネラリストの幹部を採用する傾向にあるが、株価は自分の報酬や将来の展望に直結するため、幹部らは金融アナリストの機嫌取りに大半の時間を費やす。CEOたちは、このわずかな「観衆」を喜ばせ続けるための労は惜しまない。つまり、合併や買収、リストラ、経営合理化など、株価の上昇につながる計画を次々と発表するのだ。

たしかに、これらの計画は紙の上では素晴らしく見えるため、発表直後に株価は急騰する。しかし、これらの計画が約束する「価値の提供」が本当に実現するかには注意が必要だ。

これらの計画の約8割は約束通りの価値を提供できずに終わる。一方、数年前に計画をスタートさせた幹部らは、すでに賞与を受け取ったりストックオプションを行使したりして、より条件の良い仕事に移っており、別の会社で同様のリストラ計画に着手する。

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