資金洗浄疑われる決済は昨年6件 バチカンが初の財政報告書

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バチカンが初の「財政報告書」

バチカンが初の「財政報告書」

ロンドン(CNNMoney) バチカン(ローマ法王庁)の金融監督部局は22日、バチカンによる昨年の金融決済で6件にマネーロンダリング(資金洗浄)の疑いが浮上したとの報告書を公表した。

2011年の1件からは大幅増加で、6件のうち2件については刑事事件に発展する可能性があるとして調べている。

10年に発足した「金融情報局」がこの種の報告書を発表したのは初めて。フランシスコ法王は資産管理や金融決済などを含めバチカンの内部改革を打ち出している。

報告書は、資金洗浄やテロ組織などへの資金援助へのバチカンの取り組み方を説明。同局の責任者は会見で、バチカン警察などと協力した金融取引審査を開始したとも述べた。

また、欧州多国間の資金洗浄対策機関が昨年7月に打ち出した7項目の勧告内容の実施を目指すと指摘。その現状報告を今年12月に同機関に提出するとも語った。

バチカンの金融問題は、内部の権力闘争の影響も指摘され、不透明な状態が続いてきた。

この中でフランシスコ法王の就任を受け、宗教事業協会(通称バチカン銀行)は今月、毎年の事業活動を公開するインターネットのサイト創設を発表し、金融決済などで透明性を図ることを宣言した。

バチカン銀行は世界中に数千規模ある教会の慈善団体、修道会や教区などに関連する事業に関与。同行が抱える銀行口座は約3万3400、資産は約80億米ドル(約8160億円)とされる。

金融専門家などはバチカンで金融犯罪が起きる可能性は低いと指摘。しかし、バチカン銀行の世界的なネットワークや高額の現金取引額、一部の口座保有者の情報不足は組織犯罪が付け込む余地を与えかねないと懸念している。

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